小泉首相は靖国神社参拝を
2005-08-14


小泉首相は、8月15日に、自らの公約通り靖国神社に参拝すべきです。

私は、原理的に靖国神社に内閣総理大臣という公職に就く人物が、私的な宗教的な行為として参拝する権利を擁護する者です。しかし、私が、2005年8月15日という特定の日に、小泉氏が靖国神社に参拝すべきだするのは、そのような原理的な立場からではありません。

ついでに言うと、私は、簡単にいえば靖国神社は、近代日本の為政者が国民の生命を、国民が選択したとはいえない戦争に捧げさせる(調達する)ためのイデオロギー装置だと思っています。そして、現代でも、大惨禍をもたらした為政者の責任を免罪し、戦後民主主義を否定し、今後、民主主義国家としても遂行可能な戦争に国民を駆り立てるのにも役立つ可能性の高い、イデオロギー装置の一つだと考えます。
抽象的で申し訳ありませんが、私は靖国神社の存在の仕方そのものに否定的です。(しかし、くどいようですが、すべての日本国民が個人の信条において靖国神社に参拝する権利の行使を擁護します)。

・・と、ここまでは前置きに過ぎないのですが、「郵政民営化」を自らの公約として小泉首相が固執し、乱暴な解散を行ったその姿勢が、本当に深い質をもった信念なり、理念なりに根ざしているなら、靖国神社参拝についても、そのような姿勢を貫けるはずです。

どんなに中国・韓国などとの関係が悪くなり、国連常任理事国入が破綻し、日本経済への悪影響も懸念されても、靖国神社参拝を貫徹できるはずです。 そして、そこにこそ小泉氏が、単なる凡百の保守政治家ではなく、革命的な「改革」を実行できる政治家である点を示すことができるでしょう(苦笑)。


それが、小泉氏にとっても、民主政治のもとでの政治家としてのまっとうな道というものです。彼が誤魔化しの政治家ではないなら、敗戦の日に靖国神社に堂々と参拝すべきです。

もちろん、困ったことに「郵政民営化」賛成者が増えたように、「靖国神社参拝」賛成者を増やすことにつながる可能性が高いことは事実です。非常に危険なナショナリズムを一層鼓吹することになるでしょう。しかし、それが小泉政治であり、また一部の日本国民の「民度」の現実なのです。
本来的には、明日の靖国参拝という小泉氏自身行動によって、アジア外交や拉致・ミサイル問題の解決を遠ざけてきた、靖国神社問題を、総選挙の課題として浮かび上がらせるという意味をもつはずなのです。そうなるかならないかは、小泉首相の側の問題ではなく、日本のメディア・野党・そして日本国民自身の問題です。

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