「量的緩和政策解除」の憂鬱
2006-03-10


「量的緩和政策解除」をこのタイミングで断行する中央銀行の「独立性」に敬意を表しつつ、何ら回復軌道を実感できない、一庶民としては、毒づくしかなわけです。「いったどこが、『景気の持続的な回復』なんだ!」と。

たしかに、<お金>の指標は<利子>であって、健全なマーケットメカニズムからすれば、量的緩和政策は「きわめて異例の政策」というか<異常>な政策です。しかし、デフレスパイラルに嵌りこみつつあった新自由主義構造改革下の日本経済の実態は、その<異常>政策に託すしかなかったわけです。

政策の効果というより、外需とリストラの嵐の結果、やっと実体経済の一部に「回復」がほのかに漂ってきたからといって、すぐに<正常>な金融政策に戻れる状況が現出するような、バランスのとれた状況に日本経済があるわけではないのです。だいたい、格差構造は完全に日本の経済・社会構造にビルドインされてしまっています。そこにメスをいれる構造調整政策をおこなわなければ、「税制改革」などありえないでしょう。

[時評]

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